伊勢海老を刺し網で獲るのにも網に違いがある。
関東近辺では、7Fタイプの2/6本、2/8本、3/9本で94mm~100mmが主体で、一枚網が多い。
規制で三枚網だと獲れすぎるからか、それとも作業性を考えると一枚網のほうが仕事が早いからかはわからない。
千葉県の大原地区などはやはり一枚網である。ここにも弊社の網が販売店を経由してだが使ってもらっている。
九州の中では、長崎の網場地区や野母崎地区(長崎の南の先端)は伝統的なナイロン網で、目合いも鯨2.3寸~2.6寸である。ここは昔から鯨尺を使っており若い営業などは間違ったりすることもある。
天草地方は目合い的にはこれより大きく、曲3.3寸~曲4寸が一般的である。また、この地区は魚(カワハギやクロ)を獲るために高さがよそより随分高いのが特徴である。込み(座り)も多い。
漁師に違いを聞いてよその地区のものを勧めてはいるが、なかなか皆さん伝統的で一目、二目の中網にこだわる職人のような漁師が九州には多い。製造には苦労をするが、漁師とのやり取りも営業の楽しみの一つでもある。